中国、上海のコラム no.2
執筆: 上海アワジ不動産
「上海で住みやすい場所って?」

「観光や出張で上海に行ったことはあるけど、テレビ塔や外灘(バンド)しか知らないよ!」という方に、日本人が多数住んでいるいくつかのエリアを紹介したいと思います。 
上海に初めて来た日本の方では古北新区というエリアを最初の居住地とされるケースが多いです。ここにはフランス資本の大型スーパー、カルフールがあったり、日本料理店や日本食材スーパーが集中しているためです。建物の外観は立派ですが、内装は古いものが多く、いろいろとトラブルがあるようですが、それでも古北新区の人気はかなりのものです。日本人はもちろんのこと、欧米人や韓国人なども多数居住しています。やはり日本人は「ムラ」を構成することによって安心するのでしょうか。 古北新区の近く、長寧区の虹橋路近辺には高級なサービスアパートメントやヴィラ(戸建)が立ち並んでいます。高い塀に囲まれた別荘地といった趣です。日本人学校もこの近辺にあります。このあたりは地下鉄も無く、交通の便は悪いのですが、上海市内の中では緑が多く、風水の良いエリアのようです。地元の人達にもお金持ちは虹橋に住むという印象があるようです。
 虹橋から少し外れたところに虹梅路があります。このあたりにはローカルですが、香港や台湾、韓国、日本人に向けた、賃料的にはミドルクラスの物件が立ち並んでいます。上海市はすごい勢いで外に向かって拡張していますので、市の中心は古い建物が多く、外に向かうほど建物が新しくなるという傾向があります。虹梅路やその近くの龍柏などでは町並みも整然としており、清潔感があります。このあたりも地下鉄は無く、交通の便は良くないのですが、中国人のお金持ちは車を持っているからあまり地下鉄の有無は気にしないようです。近くに駅があるかどうか気にするのは交通網の充実した街に住む日本人の特色と言えるかもしれません。 上海市の南部の中心地、徐家匯はデパートが集中するエリアであり、週末は買い物客でごった返します。今、上海で一番人の多いエリアかもしれません。このあたりのレストランは値段も安く、また物の値段も他のエリアに比べると若干安いような気もします。日本企業がいろいろと販売促進のプローモーションを行っているのも、この徐家匯に若者が集まってくるからでしょう。徐家匯のデメリットは交通渋滞がひどいことです。タクシーを呼ぶのは一苦労です。車で会社へ通勤を検討されているかたにはあまりお薦めできません。
 淮海路 南京西路はともに上海のメインストリートとして有名です。この通りに近いマンションは$3000や$5000などという物件もざらにあります。地下鉄にも近く買い物も便利ですが、市の中心であるため、あまり家族で住むような環境ではないかもしれません。単身の方なら市中心は便利です。日本企業が多く集中しているのもこのエリアの特色です。  浦東新区はまだ開発中の新しいエリアであり、道路が広く建物が新しいのが特徴です。中国の地方出身者は浦東に住みたがる人が多いようです。陸家嘴というところにオフィスが集中しているため、日本人も多数居住していますが、日本人の生活環境としてはまだまだといったところです。浦東新区の面積が広いこと、道路が広いこと、開発途上であることもあり、あまり建物が密集していないためか、夜は結構暗かったりします。また、日本人向けのお店も少ないように思います。しかし街自体は新しいので、気持ちはい いです。またもうすぐウォルマートも完成する予定ですので、今後注目のエリアと言えるでしょう。
 最後に、中山公園ですが、こちらは地下鉄2号線と3号線の駅があり、日本人が多く居住する古北や虹橋からもっとも近い駅になります。といっても、タクシーで10分くらいはかかるのですが。2路線使える交通の便の良さで徐々に日本の方が増えてきています。デパートやショッピングモールもあり、現在オフィスビルも数棟建設中です。今後は徐家匯のようににぎやかな街に変貌していくのではないでしょうか。中山公園にはサービスアパートメントは数えるほどしかなく、ローカル物件がほとんどです。およそ6000元以上のご予算があれば、それなりの2LDKを借りることができます。
 交通の便がよくないといろいろと言われていますが、やはり家族で住むなら虹橋エリアや古北、積極的に上海散策をされたい方には地下鉄沿線がお薦めです。上海の交通渋滞はひどいもので、雨が降ったり、暑かったりするとタクシーが全くつかまりません。地下鉄が現在のところもっとも確実な交通機関ではあるのですが、こちらも近年混雑がひどくなっています。お勤めの方は会社の近くを選択するのも良いかもしれませんね。

提供:NKネットサービス

http://web.kyoto-inet.or.jp/org/nknet  2005.5.10