中国、上海のコラム no.3
執筆: 上海アワジ不動産
 「上海の大家さんて・・・」

皆さんが日本でお部屋探しをされる際に重視するのはどんな点でしょうか?階数、日当たり、賃料や駅までの距離が考えられます。しかし上海で一番重要なのは実は大家さんのお人柄です。日本のマンションでは不動産会社が管理している場合がほとんどであり、あまり大家さんと直接会う機会はないように思われます。しかし、上海では$1500以上の高級マンションが会社の管理であることを除けば、それ以下の賃料のマンションはほとんど個人の大家さんが管理するマンションになります。
実はこれが日本の方に取っては運命の分かれ道になります。
 中国は現在急速に法律が整備されてきていますが、元々「法治国家」ではなく、「人治国家」です。昔はなんでも話し合いで済ませてきたことを現在は法律や規則、制度に基づいて問題解決をするようになってきました。しかしながら、未だに「人治」の習慣が残っています。上海で賃貸契約をする場合は日本と同じく契約書を交わすわけですが、日本と違うのは大家さんたちの契約に対する考え方です。例えば上海で家具家電付で10000元の2LDKを契約したとします。
入居当日皆さんが引越しの荷物を持ってお部屋に来ると驚くような光景を目にします。契約書に書いてあり、大家さんが提供してくれるはずの洗濯機や、冷蔵庫といった家電が届いていなかったり、掃除ができていなかったりするのです。クーラーも動きません。日本だともちろん大問題です。ですが、上海ではこれにムキになるのは外国人くらいのようです。大家さんからすれば「2、3日以内にすべてそろえばいいでしょ。結果的に全てそろえば問題ないよ。」という感覚なのです。
ではなぜ事前に用意できないのでしょうか?実は上海の大家さんはめんどくさがる方が多く、家具や電気製品をそろえるために何度もマンションへ足を運ぶのが億劫なので、すべての物の搬入を入居日に指定して、ついでにお客さんと立ち会って一度で問題解決をしようとするのです。これには中国の物流事情の悪さも関係しています。中国では家具や電気製品を買ったり、何か修理したりするにしても日本のように時間帯指定ができないのです。注文しても「今日中に来る」とか「明後日中には届く」とかあいまいな回答ばかりで、つまり物を受け取るために一日中マンションで待っていなければならないのです。もちろん、入居当日にこういうことが起こるとその日は荷物の片付けどころではありません。外へ買い物へもいけないのです。しかし、これも上海スタンダード。外国だから不便な生活は当たり前と感じられる方に取っては大きな問題ではないようですが、毎回ほとんどのお客様から不満の声を聞きます。
大家さんが契約を守ることに対する意識が高ければ起らない問題ですが、ほぼ9割以上の大家さんがこういった感じです。また、上海でマンションをいくつも持っているような大家さんはプライドも高く、「借りていただく」ではなく「貸してやる」という感じです。これもまた日本人のお客様とのトラブルの原因になります。部屋の新しさや立地の良さに目を奪われがちですが、そのお部屋の大家さんは本当に良い方でしょうか?後々のトラブルを防ぐためにも見極めが必要です。日本に留学されていた、或は日本でお仕事をされていたような大家さんは日本語ができるだけでなく、日本人の習慣や日本人が何を問題にするのかといったことをよく理解されているので、契約を守るという意識も高くトラブルも少ないようです。
ただ、賃料、立地、部屋の新しさに加えて大家さんが日本語が話せることを条件に加えてしまうともうおそらくご希望のお部屋を見つけることはほとんど不可能になってしまうでしょう。初めての海外生活で言葉に不安のある方、お忙しい方、トラブルを避けたい方はむしろ日本語が話せる大家さんを第一条件にお部屋探しをされたほうがよいかもしれません。会社で契約されるならばおもいきって上記のようなトラブルの無い、会社が管理しているマンションを借りられるぐらいの予算を申請してみるのもよいでしょう。

提供:NKネットサービス

http://web.kyoto-inet.or.jp/org/nknet  2005.5.10